バイト先のスーパーのチーフの斎藤さんは大概、不機嫌です。
朝、おはようの挨拶をしても、大概は小声でしか挨拶してくれません。
無視される時もあります。
斎藤チーフはなんかしら怒っている。
私とは親子ほどの年齢差があります。
斎藤チーフが心身ともに余裕がないのは想像できます。
そんな斎藤チーフから、すごく叱られましたヨ。
私が叱られた状況
スーパーは人手不足なのですが、野菜売り場はその中でもひどい状況です。
だから、私が斎藤チーフから叱られる時は、時間を無駄にしない様に、私がバックヤードに戻って来るのを斎藤チーフは待ち構えています。
でも、その時は違いました。
遠くから呼ばれました。
こういう時は尋常ではありません。
私が叱られたミス
まず先に、私の言い分を記すと、スーパーでのバイトは忙しいので、あまり仕事の仕方を教えてもらえません。
だから、特に指示がなくとも自分で判断して作業をします。
その時も品出しようと店頭に運んだ函の中にバーコードのシールが入っていました。
それで、商品にそのシールを貼れという意図だと私は判断したのです。
それでシールを貼って品出ししました。
叱られて泣く
斎藤チーフのもとに行ってみると、私が品出しした商品を回収していました。
これ、どこがダメなのか分かりますか?
私が品出しした商品を見せて、私を斎藤チーフは睨んでいました。
急に言われても分からなかったので私は無言でした。
すると、斎藤チーフは、私が貼ったバーコードを指して、教えてくれました。
バーコードが2つもあったら困ります。
つまり、函に入っていたバーコードのシールは、バーコードの上に貼れという意図だったのでした。
確かにそうですよね。
私は、朝一番の仕事は前日売れ残った野菜や果物を値引きします。
その折も既存のバーコードを打ち消すシールを貼って、さらに値引き金額のバーコードシールを貼っています。
そういう事をしていながら、一商品に二つもバーコードがある状態にしてしまったのは、私の明らかなミスです。
60歳を過ぎているのに、そんな判断も出来ないのか!
自分が情けなく涙が出てきました。
すると、あんなに怒っていた斎藤チーフは私の腕をさすって、
「そんなにしょげないで」って言ってくれました。
意外にも斎藤チーフが優しくしてくれるので、私はさらに悲しくなってしまったのでした。